飛鳥北東の地をめぐる-2

日本の原風景が残る奈良県明日香村をはじめ、古代国家の原点とも言える飛鳥地方は、多くの万葉歌に詠まれ、無数の史跡とともに ゆったりとした時間が流れています。

今回は飛鳥北東の地「明日香村奥山」と「明日香村小山」をご案内します。

奈良文化財研究所 飛鳥資料館

明日香村各地で発掘された様々な出土品が多数展示され、飛鳥時代の仏教文化に触れることができます。

中でも、須弥山石・石人像・高松塚古墳や山田寺跡からの出土品は、国の重要文化財に指定されています。

飛鳥資料館

須弥山石(しゅみせんせき)
・石人像(せきじんぞう)

明日香村飛鳥字石神(石神遺跡※) の水田から発掘された、実物の「須弥山石」と「石人像」は、どちらも噴水の仕組みが施され、飛鳥時代の饗宴施設で利用したとされています。

※石神遺跡の詳細は↓
「飛鳥時代の中心地をめぐる」へ

石人像(実物は館内にあります)

山田寺東回廊

桜井市の「山田寺跡※」から発掘・保存処理された部材を使い、東回廊が復元展示されています。

※山田寺跡の詳細は↓
「飛鳥北東の地をめぐる-1」へ

高松塚古墳出土品

「海獣葡萄鏡」をはじめ、棺飾金具・ガラス玉・土器・木簡などの出土品と、色鮮やかな「女子群像」の精密なスキャンパネルが展示されています。

キトラ古墳石室

「青龍・白虎・朱雀・玄武」四神像の精巧な複製陶板や、キトラ古墳実物大の石室が復元展示されています。

その他

飛鳥池工房遺跡から発掘された富本銭や、水落遺跡の漏刻台(水時計)の復元模型、飛鳥の古墳や寺々から発掘された出土品が多数展示されています。

庭園には、亀石・猿石・須弥山石・石人像などの石造物の復元と、八釣マキト5号墳は移築保存されています。

飛鳥資料館 庭園

飛鳥資料館 詳細

奈良文化財研究所 飛鳥資料館
住所 奈良県高市郡明日香村奥山601
TEL 0744-54-3561
開館時間 9:00~16:30(入館は16:00まで)
休館日 月曜日(祝日の場合は翌日)
年末年始
入館料 一般:350円・大学生:200円
18歳未満・70歳以上:無料
駐車場 Ⓟ あり(無料)

飛鳥資料館から奥山集落へは徒歩約10分。

奈良県道124号沿い道標石仏があります。「右天かく山」「左おかてら」「よしのみち」。現在は違う方角を向いていますが、往時の人々はこの石仏を参考に、あちこち歩いて巡ったのでしょう。

奥山の道標石仏

奥山久米寺跡

道標石仏の信号を北に入った奥山集落の中心にあります。

文献への記述がなく謎の多い寺院の跡。

来目皇子(くめのみこ:用明天皇の子・聖徳太子の弟)の発願とする説や、橿原市の久米寺の前身や奥院、蘇我氏同系の小墾田氏の氏寺、推古天皇の死を契機として創建された小墾田宮付属の尼寺とする説…がありますが、定かではありません。

奥山久米寺跡

7世紀前半の創建であったと考えられ、近年の発掘調査から、塔・金堂・講堂が南北一直線に並ぶ、四天王式伽藍配置の寺院であったことが確認されています。現在は無住。

奥山久米寺跡
住所 奈良県高市郡明日香村奥山653
(見学自由)
出土遺物 六重弧文軒平瓦・鬼瓦・塼仏など
現存 10個の礎石
・鎌倉時代の十三重石塔
駐車場 Ⓟ 飛鳥資料館Ⓟより徒歩

大官大寺跡

飛鳥資料館から北西に約1㎞、奥山久米寺跡から約550m。

大和三山のひとつ、香久山の南方。明日香村小山の、田畑に囲まれたところにあります。

奥 (南側):塔跡/手前 (北側):大官大寺跡

飛鳥寺・薬師寺・川原寺と並ぶ「飛鳥四大寺」の一つ。

7世紀末、文武天皇の時代に建立され、土壇の規模から高さ100mの九重塔と、金堂があったと考えられています。

古代寺院の中では最大の伽藍ではありましたが、建設中に藤原京の大火で焼失。完成することなく、平城京遷都にともない、本拠を新都に移して大安寺となりました。

現在はわずかに残った土壇のみ。

住所 奈良県高市郡明日香村小山
・奈良県橿原市南浦町
(見学自由)
出土遺物 青銅製風鐸片・均正唐草軒平瓦・複弁蓮華文軒丸瓦など
駐車場 Ⓟ 飛鳥資料館Ⓟより徒歩

早春、田畑を耕したあとに続いて 鳥の姿が。

アオサギ

大官大寺跡 南側のレンゲ畑 / 2020.4.25撮影

今回は飛鳥北東の地「明日香村奥山」と「明日香村小山」をご案内しました。最後までお読み頂きまして、ありがとうございました。